2010年3月11日木曜日

生き残りのディーリングを読んで

実践 生き残りのディーリング
を読み終えた。
最近時間が取れないため、読み終えるのに時間が掛かってしまった。

率直な感想は、面白かった・・・

個人的に投資スタンスに「時間」という概念が入った物が好きな傾向になる。
「メリマンサイクル」もその一つ
一目均衡表も同じ部類に入る。

多くのテクニカルがあるが、時間的な考え方の物は少ない・・・
一目均衡表は、まだ深く研究はしていないが
いずれ詳しく調べたい考え方だ。

さて矢口新氏の「実践 生き残りのディーリング
」だが
プライスに与える影響は「保有期間」「保有(ポジション)する量」が決定する
そういう考え方に基づいている。

為替も同様で、私たちが行っている「FX」もポジションを持った瞬間から
必ず反対ポジション(売り→買い。買い→売り)を行うことになる。
買った物はいつかは売られ、売った物は最後に買い戻される。

もっと言うなら、買った瞬間から世界のどこかで売っている人がいる事になる。

しかし、実需は違ってくる。
輸出企業は、海外で利益を上げた後、日本円に交換することになる。
日本円にすると言うことは、外貨を売って日本円を買うという行為だ。
しかしこれには反対取引はない、日本円を売る行為は必要ないからだ。
言い換えると、一方向にしかいかない事になる。

一番わかりやすい指標が貿易収支だ。
日本は長らく貿易黒字国・・・常に円が買われやすい状況が続いている。
この不均衡を是正するために「米国債」を大量に日本は保有している。
要は、ドル買い円売りの行為だ・・・

しかし、国債には償還期間があり、長期とはいえいずれは円に交換される。
常に円高の圧力が続いている状態だ。
これが日本円の持つ「保有期間」「保有(ポジション)する量」の関係性だ。

実践 生き残りのディーリング
」にはこの様なことが序盤方に取り上げられ
後半部分にロスカット(損切り)に関することが取り上げられている。
損切りの考え方や、リスクとリターンの考え方など・・・
特に損切りに関しては、非常に参考になる。

特に個人投資家は「損切り」に関しても「利食い」に関しても下手だ。
私もその部類に入るのだが・・・・
この当たりは「生き残りのディーリング」というタイトルの通りの内容だ。

プロというか「投資」とはこう行うべきという概念と言うべきだろう。
具体的な説明文も多いので、是非読んでもらいたい。
少々高めで、プロ向けに書いていることもあり
投資経験の無い方には難しい内容だが、多少投資に関する経験があれば
非常に参考になるのではないだろうか。

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